昨夜、古い写真を整理していて偶然見つけた一枚の写真に目が止まりました。大学時代の友人たちと旅行に行った時のもので、みんな屈託のない笑顔を浮かべています。その写真を見ながら、あの頃の自分と今の自分のライフスタイルがどれほど変わったかを考えていました。
学生時代は時間だけは有り余るほどあって、友人と夜通し語り明かしたり、思いつきで遠出をしたり、とにかく自由で軽やかな毎日でした。一方で今は、仕事や家事に追われて一日があっという間に過ぎていきます。でも最近気づいたのは、時間の制約があるからこそ、一つ一つの瞬間を大切にするようになったということです。
例えば、朝のコーヒータイム。学生時代なら何も考えずにインスタントコーヒーを飲んでいましたが、今は豆を挽くところから始めて、香りを楽しみながら丁寧に淹れています。時間にして5分程度の違いですが、この小さな儀式が一日のスタートを特別なものにしてくれます。
仕事から帰ってきた時の過ごし方も変わりました。以前はテレビをつけっぱなしにして、スマートフォンをいじりながらボーッと過ごすことが多かったのですが、今は意識的に「何もしない時間」を作るようにしています。ソファに座って窓の外を眺めたり、好きな音楽を聞いたりして、頭の中を空っぽにする時間です。これが思った以上にリフレッシュになることを発見しました。
料理に対する考え方も大きく変わりました。一人暮らしを始めた頃は、とにかく手軽に済ませることばかり考えていて、コンビニ弁当や冷凍食品に頼りきりでした。でも母親が送ってくれた手作りの煮物を食べた時に、心がほっと温まる感覚を思い出したんです。それから少しずつ、簡単でも手作りの料理を作るようになりました。野菜を切る音や、煮込んでいる時の香りが、なんだか心を落ち着かせてくれます。
読書習慣の復活も、私のライフスタイルに大きな変化をもたらしました。社会人になってからは実用書ばかり読んでいましたが、久しぶりに小説を手に取ってみたところ、物語の世界に没頭する楽しさを思い出しました。通勤電車の中でスマートフォンをスクロールする代わりに本を読むようになってから、移動時間が有意義に感じられるようになりました。
人付き合いの仕方も変化しています。20代前半の頃は、誘われたイベントにはとりあえず参加して、たくさんの人と浅く広く関わることが良いことだと思っていました。でも今は、本当に心から楽しめる人たちとの時間を大切にしたいと思うようになりました。月に一度、昔からの親友と近況報告をし合うお茶の時間が、何よりも貴重な時間になっています。
お金の使い方についても価値観が変わりました。若い頃は流行のものや見た目の可愛さで衝動的に買い物をしていましたが、今は「これは本当に必要かな」「長く使えるかな」と考えてから購入するようになりました。結果的に物が減って、部屋がスッキリしただけでなく、一つ一つの物への愛着も深くなりました。
季節の変化を楽しむことも、生活に彩りを添えてくれています。桜の季節には近所の公園で花見をしたり、夏には朝顔を育てたり、秋には栗拾いに出かけたり、冬には温泉でゆっくり過ごしたり。都市部に住んでいても、意識すれば四季の移ろいを感じられることがたくさんあります。
デジタル機器との付き合い方も見直しました。スマートフォンの便利さは手放せませんが、常にオンラインでいることの疲れも感じていました。今は寝る前の1時間はスマートフォンを触らないようにしたり、休日の午前中はSNSをチェックしないようにしたりしています。最初は手持ち無沙汰でしたが、慣れてくると頭の中がクリアになって、創作活動や読書により集中できるようになりました。
運動も生活の一部として取り入れています。ジムに通うのは続かなかったのですが、家の周りを散歩したり、YouTubeを見ながらヨガをしたりする程度なら無理なく続けられます。体を動かすことで気分がスッキリして、夜もよく眠れるようになりました。
掃除や片付けに対する考え方も変わりました。以前は面倒な作業だと思っていましたが、今は自分の空間を整える大切な時間として捉えています。好きな音楽をかけながら掃除をすると、意外と楽しい時間になります。きれいになった部屋にいると、心も軽やかになります。
睡眠の質を高めることにも意識を向けるようになりました。寝室の環境を整えたり、就寝前のルーティンを決めたりすることで、朝の目覚めが格段に良くなりました。質の良い睡眠は、翌日のパフォーマンスに直結することを実感しています。
振り返ってみると、特別なことをしているわけではありません。でも日常の小さなことに意識を向けて、丁寧に過ごすことで、毎日がより豊かに感じられるようになりました。忙しい現代社会だからこそ、自分なりのペースを見つけて、心地よい暮らしを築いていくことが大切なのだと思います。完璧を求めるのではなく、今の自分にとって無理のない範囲で、少しずつ理想のライフスタイルに近づけていければいいのかもしれません。